■ 英語教材の選び方
一口に英語教材とは言っても、その学ぶ目的や用途によって必要とされる英語教材はさまざまに変わってくるでしょう。たとえばトーフル受験の目的で英語力を上達させたいという場合でも、その勉強法やレベルなど、自分にとって最適な教材を見つけなければ無駄になる可能性があります。
ただ受験やTOEIC試験などたとえ目的が違ったとしても、基本的に必要とされる英語力というのは、聞く力(リスニング)、話す力(スピーキング)、読む力(リーディング)、そして書く力(ライティング)の4つに集約されると思われます。
そこで大切なのはそれらを効率よく身につけるための学習法、つまり自分に最も適したトレーニング方法を発見することこそが効率よく修得するための近道であると言えるかもしれません。
ではその近道を通るための教材をどのようにして見つけたらいいのでしょうか?
結論から言ってしまえば、実際に実践してみるほか手段はない、のかもしれません。しかし、手当たり次第にあれもこれもと試してみれるほど潤沢な資金をお持ちの方はそうはいらっしゃらないでしょう。ですから、事前に自分の学習方法の習性というか、特質みたいなものを把握しておくことを強調するわけです。これは英語だけに限ったことではありません。全ての学問において修得するために必要な方法と考えられます。
つまり、長所を伸ばして、その力で短所も克服していく、というやり方。
例えば自分は耳がいい、なら、まずはリスニングから強化していく。そして単語や文例をどんどん吸収していき、次にそれを口に出してみる。そんな風な段取りで、聞くことと話すことを反復して訓練していく。存外、聞くことと話すことは表裏一体をなしていますから、案外スムーズにいくんじゃないかと推測されます。
人間の身体というのは不思議なもので、どうもバランスが崩れないように仕組み作られているようですから。
次にこれが難なくこなせる様になったら段階を上げ、読む力を養っていき、そして書く力もつけていく、というような流れです。
この流れにそった教材をチョイスしていけばそう狂いはないと思います。先の例で言えば、リスニング強化のためには文字中心のテキストブック重点の教材より、CD/DVDで音声に傾注した教材の方がマッチングしているのは言うまでもないでしょう。ただ、要注意なのは手法もさることながら自分のレベルをしっかりと見極めておく必要があるということです。いくら耳がいいからと言っても、いきなりCNNのキャスターばりにべらべら話されても、こりゃさっぱり・・・という事態になりかねませんから('A`|||)
あと、これも最終的には自分の特性を掌握した上での方法かと思われますが、好きな分野から攻めてみるというのも一つの方法かもしれません。そのいい例が、新聞広告などでよく目にされるイングリッシュ・アドベンチャーです。あれは物語、映画好きな方には非常に適当な教材かと思われます。
後付け足しで、最近、ディクテイションやシャドーウィングという、耳慣れない高度化した学習法の用語を耳目したので豆知識としてメモしておきます。
● ディクテイション【dictation】
ディクテーションというのは、口述筆記のことだそうです。つまり、読み上げられた語句を書き取ることで、リスティング力と合わせ、語彙力の強化もはかることができます。
ネイティブスピーカーの発音を聴きながら、日本人には不慣れな英語特有の発音上の特徴をつかみ取る訓練で、当初はうまくいかなくても、この書き取りを繰り返すことで脳に発音を叩き込んでいけるのだそうです。
これによってリスニング力が身についていくというわけで、英語特有の省略や同音異綴り語などに慣れることで新しい構文や語彙を身につけることも可能となるというものです。
● シャドウイング【shadowing】
シャドウイングというのは、ネイティブの読み上げる英語を聞きながら、それと同じ文章をそっくりそのまま音読するというもののことです。
一般的な音読との相違点は、まず読む英文が文字として書かれていないことと(リスティングのみ)、そして文章がすべて読まれてから繰り返すのではなく、ネイティブが読み上げた直後あとを追うようにして音読することなのだそうです。
ネイティブの音読に対して"影"のようにくっついていくことからシャドウィングと呼ばれています。聞こえたそばから音読しないといけないので、聞き取れない時点でもう続けられませんし、聞き取れてもそれを同じくらいのスピードでしゃべれないとついていけなくなるという点で、ネイティブレベルの英語力が要求されるといえるでしょう。非常に高度な訓練法かと思われます。ただ、やり方や考え方は昔からあったように思われますが。
以上です。
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